『食べること、生きること』上映会 富士見市民文化会館キラリふじみ
すごくよかった。
観おわった後、岡本さんにも言ったし、
松井館長にも「まだ整理ができていないのですが」とことわって賛辞だけを告げて、帰ってきた。

帰りの電車でも興奮が収まらず、むしろ余計につのるようだった。
感動した、というのとも少し違う。
もちろん感動したのだが、感動したという自分の体験を特記したいのではない。
多くの人に観てもらいたい、というのとも違う。
もちろん多くの人に観てもらいたいのだが、この感じを共有できるとも思えないし、
だからと言って、自分の批評眼の先見性をアピールしたいのでもない。
ただ、作品から受けた感じが自分に馴染んで行くのを見届けたいと思いながら帰ってきた。

よくわからないけれどよかった、というのでもない。
難しいところはない。
わからないのは、どうしてこの作品にこれだけ自分が心を動かされたのか、ということ。
けれど、それを解明することにも大して興味がわかない。
勝ったか負けたかで言ったら、完全に負けた。
でも、くやしいとも思わない。

子どもの頃、同級生のお父さんに元関取がいて、
何年かごとに小学校に何人ものお相撲さんが来るイベントがあった。
そのときに、小学生が10人かそれ以上、ひとりのお相撲さんにかかっていくのだが、
もちろん束になってもかないっこなくて、
お相撲さんは、子どものひとりひとりを丁寧に持ち上げて、土俵の外に置いていく。
そうやって持ち上げられた感じに似ている。

岡本さんひとりの力で出来上がった作品でもないだろうが、
奇跡的と言うほど輝かしい感じでもない。
138分が長くないかと懸念されたようだが、全く長くはなかった。
ずっと観ていたいくらいだった。

こんな経験ができるとは、全く予想していなかった。

| 00:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
『二十六夜待ち』試写
情報は多くない。
記憶を失った男がいる。
観る者は、一歩前に出て想像するべきだ。
記憶のない男とするセックスが、どんなに興奮するものなのか。
男が記憶なしで射精するために、何が必要なのか。

真昼の情交のシーン、窓からの逆光が透過する二人の裸体がピンク色のゼリーのようだ。
人間が地上で動く水分だと思い出させてくれる。
それは、のちに杉谷の手でさばかれるフグの姿と無関係ではないだろう。

| 00:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
『海辺の生と死』試写
長回しのセリフとセリフの間、波の音、虫の声、鳥の声が島の時間を流している。
ふっと、映像が意味を失って、観ている方もただ時間の流れるにまかせる。
それから、歌。島の歌も時間を流す。
縁側から、島の時間の中に、トエが視線を投げ出している。

隊長さまの使いが来るとき、縁側に立つトエの裸足の指が框にかかっている。
飛び出そうとしている。なんという無防備。

遠くから砲弾の音が、島の時間を途切れさす。
見上げる青空に群れる戦闘機の一機が降りてきて、掃射する。銃弾が小道に跳ねる。
夢の中のできごとのようだ。

島の時間と特攻命令を待つ時間、スクリーンの上、どちらが流れているかは明らかだ。
試写室の外、流れているのはどっちの時間だ?


| 01:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
『アレノ』試写。(追記)

 前の投稿に、追記。

 水の中から引き上げられた愛人のつぶやきは、引き上げられるシーンの映像としては不要だが、シーンの映像として不要であるが故に、作品としては必要だ。なぜなら、物語化する欲求とそれを拒絶する欲求との葛藤が、作品を支えているから。

 妻の心の葛藤は、二人の男の間で揺れる葛藤ではない。物語化された意味のある人生を生きるか、意味のない野生化した人生を生きるか、という選択における葛藤だ。救助の人が「やめろ」と言っているのは、本来、野生の側にいるべき愛人が、殺人という罪の意識に折れ、安易に物語に助けを求めようとするのに対して、見苦しいという非難の声でもある。

 それは、妻の生き方における葛藤であると同時に、作品のあり方における葛藤でもある。物語が映像を支え、映像が物語を支える。それぞれが拒絶しながらも依存の関係にある。拒絶と依存の間の葛藤が、物語の側にも映像の側にも浸透し、作品として存在感を形成する。

 その存在感を端的に表しているのが、山田真歩の写っている映像だ。

| 01:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
『アレノ』試写。

 山田真歩の写っている映像を観るだけでも価値はある。

 そして、水の中から引き上げられた愛人が「手を掴んだ」だの「殺したようなものだ」などとつぶやくのを、救助している人が「そんなこと言わなくていい」だったか「しゃべるのをやめろ」だったかと言って止めようとするところが、とても気になった。

 愛人のこの台詞は、明らかに場面からはみ出しており、映像としては不要だ。なくてもいい。声を持たない映像に代わって、救助の人が「やめろ」と言葉にしているようだった。この「やめろ」は、映像が意味を付与されるのを拒む声、物語化を逃れようとする意志として理解される。

 愛人のつぶやきは、後になって物語の軸となる。山田真歩の写っている映像は、愛人のつぶやいた物語によって支えられている。けれども映像自身は、物語や意味づけを拒否しようとする。そのような葛藤がこの映画を支配している。葛藤は物語の主題でもある。

 これは、葛藤を味わう映画であり、今度、抜き差しならない関係について考えるときに、この映画のことを思い出すことになるだろう。

| 18:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
Orzボーイズ(2008/台湾)
どういう形でかNHKが権利を買って放送したという。松本大洋っぽい感じ。★★★★★
| 01:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
アリス・イン・ワンダーランド(2010・米)
赤の女王は、大竹しのぶ。★★

続きを読む >>
| 22:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
HOLE / ツァイ・ミンリャン
またしても、大量の水のイメージ。★★★★★
ツァイ・ミンリャン
パイオニアLDC
発売日:2000-10-27

| 01:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
アキレスと亀 / Achilles and the Tortoise (2008年・日)
普通に考えたら、大したことないと思ったけど、★★★
北野 武
バンダイビジュアル
発売日:2009-02-20

続きを読む >>
| 03:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム! (2000・日)
シュウヘイが保育園の頃、★★★★

続きを読む >>
| 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
| 1/24PAGES | >>